労使が抱える課題に対して、2026春闘交渉直前の今求められていることは何かを考える 第1回労使研修会(2026.1.25)

●はじめに
2026年1月25日(日)友愛会館にて2026年度第1回労使研修会を開催しました。今回は、「こだわりの2026春闘」をテーマとして、連合総研の市川所長、朝日新聞社の藤崎記者、JAM京滋の伊達書記長、JAM安河内会長の4名をお招きして、講演とパネルディスカッション形式で開催しました。その後労使に分かれての情報交換会を行いました。49名(労側40名、使側9名)の方が参加しました。
以下にその様子を報告します。

■スケジュール■
1月25日(日)
13:00 労使代表幹事あいさつ
13:10 講演
基調講演①:日本経済の現状と見通し(春闘マクロ情勢)
基調講演②:2026春闘 労働組合への期待
14:30 講演・パネルディカッション
講演③:JAM京滋2026春闘の取り組み
パネルディカッション
16:00 (労使)情報交換会
17:30 夕食会(アリスアクアガーデン田町)

■参加者■
<労側>31単組・40名
<使側>9企業・9名

■開催趣旨■
今回の開催テーマは「こだわりの2026春闘」としました。
2025春闘を振り返ってみると、JAM全体では平均で過年度物価上昇分を上回る賃上げを実現し、JAM結成以来最高の賃上げ水準となりました。一方、昨年を含む数年間の賃上げの実現は企業規模間の賃金格差を拡大させる結果となりました。物価は毎年当たり前のように上昇しています。働き手不足が深刻化しており人財確保と流出防止は企業経営上の重要な課題になりました。今春闘でも働く者の賃上げや処遇改善は必須の状況であると言えます。そんな中で2026春闘がスタートしました。連合は昨春闘の「5%の実現を目指す」から今春闘は「5%の実現にこだわる」、「中小は格差是正に向け6%以上」とした方針を示しています。この「こだわる」や「格差是正1%」にはどういう意味があるのでしょうか。またJAMは「ベア17,000円以上」を要求する方針(案)を掲げています。物価高騰、働き手不足、先行き不透明感での現下企業状況に対し、労側は前年を上回る要求水準をどう具体的に組み立てて要求し、どのように交渉を展開すればよいのか、使側もこの要求水準にどう応えられるのか、といった各企業労使でそれぞれが悩みや不安を抱えている状況もあるのではないでしょうか。さらに中長期的に見た時、こういう時代だからこそ今春闘はある意味組織のプレゼンスを発揮する機会でもあります。VUCAの時代における労働組合および企業に期待されていることはなにか、新しいこれからの時代に求められる組織へと変革するきっかけとなる今春闘になるかもしれません。
そこで、今回の労使研修会では、連合内での今春闘の責任者である安河内会長、働く者のシンクタンクである連合総研の市川所長、国内外の労働運動の今を数多く取材し書籍「なぜ今、労働組合なのか」の著者である朝日新聞社の藤崎記者、日々前線で中小労組の活動を支援するJAM京滋の伊達書記長、の4名をお招きすることにしました。市川所長からは調査研究から見た今春闘のマクロ情勢を、藤崎記者からは今春闘をはじめこれからの労働組合へ期待されていることを、伊達書記長からは中小労組の賃上げの取組み実態と今春闘の課題感を、各々のお立場からお話いただき、そのうえで、安河内会長がモデレーターを務めて、各お話を深堀りしていく感じでパネルディスカッションを進めます。このように他にはない電機部会の加盟企業労使のためだけの特別な内容になりました。2026春闘交渉へ本格的に突入する前に、今春闘における皆さんの抱える悩みや不安に対する解決の一助に、また春闘をはじめこれからの労使の様々な取り組みについての気づきやヒントが得られるものになればと思っています。労使共に多くの方のご参加をお待ちしております。

●労使代表幹事あいさつ
まず、熊谷労側代表幹事からは「本年もよろしくお願いする。雪が大変な地域もありお見舞い申し上げる。国内外でいろんなことが起こっている。そして選挙。2月8日に予定されていたいろんな行事がつぶれるなど迷惑。政治は国民のために動いてほしい。そして春闘である。JAM方針17,000円をどう組み立てるのか。4名のパネラーを迎えた今回の研修会、ためになると思う。よろしくお願いする。ともにがんばりましょう。」とご挨拶いただきました。
また高橋使側代表幹事からは「本日日曜でもある中出席いただき感謝する。私はJAM結成当初から組合執行部を10年、その後15年間人事部として25年間労務に携わっている。この間、社会経済環境の変化や働き方も変わってきており、それに伴い解決すべき労使課題も多岐に渡り山盛り。春闘だけでは解決できない。賃金だけではなく諸課題について労使共通認識をもって解決していきたい。今日は解決策を考えるヒントになれば。」とご挨拶いただきました。

●講演・パネルディスカッション
今回は、
◎テーマ:こだわりの2026春闘
◎基調講演①:(公財)連合総合生活開発研究所 所長 市川 正樹さま
◎基調講演②:(株)朝日新聞社 GLOBE編集部 記者 藤崎 麻里さま
◎講演③:JAM京滋 書記長 伊達 直人さま
◎パネルディスカッション
パネリスト:(公財)連合総合生活開発研究所 所長 市川 正樹さま
(株)朝日新聞社 GLOBE編集部 記者 藤崎 麻里さま
JAM京滋 書記長 伊達 直人さま
モデレータ:JAM会長 安河内 賢弘
でした。
冒頭、安河内会長より、「労使でこのような研修会を開催する電機部会の活動に敬意を表する。今、選挙をすることは許しがたい。そんな中で皆さんの力で当選させた郡山りょうがほぼ何もしていない。取適法関連や物価高対策などやることはいっぱいあるのに国会が開かれずできない状況にある。」とごあいさつをいただき、次いで、本日のテーマを「こだわりの2026春闘」とした主旨をご説明いただきました。その後、基調講演として、市川さまからは「春闘を取り巻くマクロ経済情勢」をテーマに、続いて藤崎さまからは「春闘をはじめ今後の労働組合への期待」をテーマにそれぞれ講演をいただきました。休憩を挟んだのち、JAM京滋伊達書記長から「JAM京滋春闘の取り組み」を紹介いただいたうえで、安河内会長がモデレータで、市川所長、藤崎記者、伊達書記長の3名がパネリストとしてパネルディスカッションが行われました。
講演・パネルディスカッションでは、来たる春闘について、「要求を組み立てる上で格差是正の具体的な要求方法」、「役員報酬や株主への還元は増えているのに、組合員への分配は横ばい状態であり、それを根拠にして遠慮なく要求してもよい」、「最大の物価高対策は賃上げである」、「物価上昇分といってもいろんな見方があり、実質賃金が低下していないかを確認する」、「共闘の意義は情報が入ってくること」、などなど各自にとって様々な気づきや参考になるお話がありました。また春闘のみならず労働組合の活動そのものについても、「今の時代にあった活動のアップデートの必要性」や「受け手を考えること、組合員に興味をもってもらう仕組みづくり、情報がきちんと届いているか確認すること、が大事」などなど、参加者から感想が述べられました。

●情報交換会
講演の後は、労使でそれぞれ分かれて情報交換を行いました。
労側では、本日の講演・パネルディカッションについての感想や春闘要求を検討するうえで参考になる点、気づきなどを参加者からひと言ずつ紹介してもらう形で進めました。

●夕食会
そのあと場所は移動し、夕食会を開催して、引き続き労使合わさって研修会の感想に語り合い交流を深めました。

●さいごに
今回は、私たちJAM電機部会労使研修会のために、大変お忙しい中、貴重なお時間とお話をご提供いただきました市川所長、藤崎記者、伊達書記長に心より感謝申し上げます。
また講演・パネルディスカッションの事前企画と当日の進行にご尽力いただきましたJAM安河内会長にも感謝申し上げます。
私自身、春闘だけではなく、いろんな観点で様々な気づきが得られた大変有意義な研修会となったと思っています。きっと参加された皆様もそのように感じられていると思います。今回の内容により自分でかなりハードルを上げてしまったと思いますが、今後も部会加盟の皆さまにとってなんとか有意義な研修会となるよう、テーマ選定をはじめ企画・運営に努めていきます。今後もぜひご参加のほどどうぞよろしくお願いします。
(記:事務局長 松本康)

労使が抱える課題に対して、2026春闘交渉直前の今求められていることは何かを考える 第1回労使研修会(2026.1.25)」への1件のフィードバック

  1. 松本事務局長、報告ありがとうございます!
    事務局でありながら講演~パネルディスカッション、情報交換会まですっかり聞き入ってしまい、あっという間の4時間でした。参加いただいたみなさん、企画~運営にご尽力いただいた部会三役のみなさん、ありがとうございました。

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