「(まじめさ楽しさ)盛り合わせのてんこ盛り」に「+S(スマート)」を加え、様々な状況に対し臨機応変に創意工夫しながらメリハリをつけて活動することで部会のさらなる発展をめざすことを確認 -電機部会第27回総会・電機部会労使会議第26回総会・第1回労使研修会(2025.10.26)

2025年10月26日(日)静岡熱海・ホテル大野屋にてJAM電機部会第27回総会・JAM電機部会労使会議第26回総会を開催しました。また総会後には引き続き第1回労使研修会として、横河電機株式会社の大須賀さんによる講演会を開催しました。

★参加人数★
労側:28単組・34名、使側:6企業9名

●はじめに
今回の総会では、部会のテーマである「(まじめさ楽しさ)盛り合わせ」のてんこ盛りに「+S(スマート)」を加えて活動していくことが確認されました。昨年まで部会総会と労使会議総会は別々に開催していましたが、両総会では重複する部分も多いことから、「+S(スマート)」のスタートにあたる本総会から、両総会をまとめて開催することにしました。また総会後に引き続き研修会を開催してまじめさを凝縮したものとしました。さらに総会後は楽しさを前面に懇親会や二次会を開催するなどまさに「+S」となるメリハリをつけた総会の一日となりました。
以降で総会と第1回労使研修会の様子を報告します。

●第27回総会・第26回労使会議総会
総会の冒頭では、熊谷部会長・労側代表幹事より「休日お忙しい中お集まりくださり感謝する。この一年、「(まじめさ楽しさ)盛り合わせ」のてんこ盛りの活動ができた。特に部会結成25周年海外視察も今回は無事に事件なく開催できた。春闘では今年も物価を上回る賃上げを実現できた。そして郡山りょうを国政に送ることもできた。今回をもって多くの皆さんが退任される。これまでのご活躍に感謝申し上げる」とご挨拶がありました。
また、井上使側代表幹事より、「こうして総会が無事開催され、部会活動が活発に行われていることを嬉しく思う。私は以前労側の事務局長を務めていたこともあり、またこうして使側の代表幹事も務めることができ貴重な経験となった。労使両方の立場を経験する中で、やっぱり一番大事なのは現場で働く者の生産性であったり、働きがいであるわけだし、労使が同じベクトルで様々なことに取り組んでいければと思う。そして政治社会が混迷しておりどうなっていくかわからないが、郡山りょうを通じて盛り上がっていくことを祈念する。最後に私は退任となるが後任の辻本も引き続きよろしくお願いする」とご挨拶をいただきました。
続いて、JAMを代表し安河内会長より「3つのことをお話する。1つ目は郡山りょうを国会に送ることができたことにまずは感謝する。もちろん国会議員になることが目的ではなく、これからぜひみなさまの厳しくそして温かい目で郡山りょうを見ていただき、現場の声で郡山りょうをさらに大きく育てていただきたいと思う。そしてその先に村田きょうこの選挙もある。2つ目は春闘の話である。連合としては水準は昨年度と同水準の全体「5%以上」、中小に関しては「格差是正分1%をのせて6%以上」、そして非正規に関しては「最低賃金が今年6.4%上がっているので、それを上回るという意味で7%以上」の方針。ただ昨年度との違いは「5%以上をめざす」から「5%以上にこだわる」と変えている。何にこだわるのかというと、昨年度は連合全体で平均では5%以上の賃上げを獲得したが、それを達成した単組の割合でいうと5割を切っている状態。なので連合としては2026 春闘は「ひろがり」を重視した春闘にしていきたい。全ての単組、全ての組合員が定昇込みで5%以上の賃上げができることにこだわりたいということ。そして人手不足も深刻であり、労働時間短縮も春闘の場で議論が必要になってくる。3つ目は組織拡大である。当初50万人組織をめざしていたが今は39万人。物価高もあいまって結果として財政面できびしくなってきている。皆さんにご迷惑をおかけするかもしれないがそうならないためにご協力をお願いする。以上JAMとしての連帯のごあいさつとする。ともにかんばりましょう」とご挨拶をいただきました。

本総会では2026年度の活動方針・活動計画が議案の中心となりました。2026年度は部会のテーマである「(まじめさ楽しさ)盛り合わせ」のてんこ盛りに「+S(スマート)」を加えて、様々な状況に臨機応変に対応しつつ、その都度創意工夫しながらメリハリをつけて部会活動をさらに前進させるとともに、先輩たちより受け継いできた電機部会のDNAを次の世代へと継承することも意識して活動していくことを満場一致で確認されました。同様に、他の議案(文下参照)についても満場一致で確認されました。

本総会を持って、電機部会の役員、労使会議の使側役員で計8名の方が退任されました。これまでの部会におけるご活躍に感謝いたします。

★電機部会役員退任者
副部会長・労側幹事:佐藤 元紀さん
副部会長・労側幹事:和田 孝宏さん
労組幹事:松山 裕一さん
労組幹事:猪狩 裕一さん
会計監査:神山 忍さん
使側幹事:井上 信治さん
使側幹事:浜野 修次郎さん
使側幹事:石井 達雄さん

【議事】JAM電機部会第27回総会
JAM電機部会労使会議第26回総会

1.主催者代表あいさつ(労側・使側)
2.JAM本部代表あいさつ
3.報告
(1)2025年度活動報告
(2)2025年度一般会計・分担金会計・特別会計報告
(3)2025年度分担金会計・特別会計 監査報告
4.議案
(1)2026年度活動方針・活動計画に関する件
(2)2026年度予算に関する件
(3)役員交代に関する件
(4)表彰に関する件

●講演
部会総会・労使会議総会の両総会を合わせてコンパクトな形で開催し、終了後に労使研修会を開催しました。
◎講演:健康経営と労働組合の役割
◎講師:横河電機株式会社 人財総務本部 診療センター 健康管理課
大須賀 祐子さま(元横河電機労働組合 執行委員長)
でした。長時間労働問題(時間管理)、賃金労働条件の改善、福利厚生の充実、働きやすい職場環境づくりなど、労働組合の活動というのは結局のところほぼほぼ健康経営に関連している活動であり、そしてさらに取り組んでいくと優秀な人財確保や定着(人手不足解消)、生産性向上、イノベーション創出、といったこともつながっているということをあらためて気づかされた講演でした。参加者の皆さんにとっても様々な気づきがあったものと思います。
大須賀さん、どうもありがとうございました。

■講演の主旨と概要■
昨今、健康経営と言われて久しいですが、いまや会社経営の一つの柱となってきています。従業員が健康的にやりがいをもって活き活きと働くことで、生産性が上がったり、従業員エンゲージメントの向上につながると言われています。では具体的にどういう取り組みを進めていけばよいのでしょうか。また労働組合として会社経営に具体的にどのように関わっていけばよいのでしょうか。
今回は会社で健康経営に関する業務を担当し、元労働組合委員長でもある大須賀さんに労使双方の立場で健康経営のイロハについてお話しいただきます。
(JAM電機部会 事務局長 松本)

●懇親会
総会終了後には懇親会を開催しました。栗栖労側幹事(副部会長)の司会で懇親会は始まり、熊谷部会長(労側代表幹事)の乾杯のご発声、メンバー間で懇親を深めたり情報交換したりと思い思いに過ごし、最後は井上使側代表幹事のご挨拶、そして佐藤労側幹事(副部会長)の中締めで終了しました。

●さいごに
今回開催にあたり、企画や準備、当日の進行まで多大なるご尽力いただきました中部エリア会議の皆さん、そして、企画や手配など影で大いにサポートいただきましたミヤコ国際ツーリストの野牧社長、本当にありがとうございました。
(記:事務局長 松本康)

第3回東日本エリア会議

8月24日、25日と2日間で第三回東日本エリア会議を新潟県新潟市にて開催しました。

また、今回はJーTREC労組さんの協力のもと工場見学を実施しました。電車の製造工程を見るのが初めての方も多く、皆さん興味深く見学されていました。昨今、話題にもなっている熱中症対策についても質問されている方もいらっしゃいました。こういった工場見学についても継続して開催できればと思っています。

 

 

2025年第2回西日本エリア会議

2025年9月30日(火)、三社電機労働組合の組合事務所にて、JAM電機部会2025年度第2回西日本エリア会議を開催しました。今回は8単組8名の参加のもと、有意義な意見交換が行われました。冒頭、仁木議長より「JAM方針に基づき、働き方を変えていこう」という趣旨の挨拶があり、各単組からの提案や意見を共有しながら、実りある会議にしていきたいとの意気込みが語られました。続いてのJAM報告では、政策制度要求に関するパンフレット作成について議論があり、「誰にでも分かりやすい資料を作成しよう」という方向性が確認されました。電機部会として、日頃の事業活動や職場の課題を踏まえ、「こうだったらいいのでは」という視点を持つことで、より具体的な政策提案が可能になるとの意見が出されました。また、「企業は社会や人々の生活を良くするために活動しているのだから、国の支援を堂々と求めるべきである」との考えが共有され、「わがまま」ではなく「社会のための要求」であるという認識が深まりました。単組報告では、秋闘や付帯要求に関する取り組みについて情報交換が行われました。主な内容は、働き方改革:残業・時間外労働の規制、有給休暇取得を前提とした労使協議の実施。年休取得率の向上:毎月の経営協議会で取得状況を確認し、80%達成、100%を目指す。有給日数の増加:20日から22日へ、取得率現状より上げる必要あり。稼働日の削減、フレックス制度の導入要求、派遣社員の定着課題、時短勤務(7時間50分→7時間45分・30分)への取り組み。ワークライフバランスの推進。定年延長、人事制度変更は経営が良好な時期に実施すべき。みなし労働時間制度の廃止に向けた動きになっている。また、報告の最後に、今回の会議をもって異動となり、西日本エリア会議が最後となる方からのご挨拶もありました。今回の会議は、働き方改革や政策提案に向けた意識共有の場として、大変有意義なものとなりました。

会議終了後は場所を移して懇親会・交流会を開催し、参加者同士の親睦を深めるとともに、西日本エリアの結束を強めることができました。

三社電機労組での会議の様子①

三社電機労組での会議の様子②

2025年第1回西日本エリア会議

2025年2月14日(金)、エスペック労働組合の組合事務所にて「JAM電機部会 2025年度 第1回西日本エリア会議」を開催いたしました。当初はテラサキ労働組合での開催を予定しておりましたが、仁木組合長が急遽労使会議に出席することとなり、会場をエスペック労働組合へ変更する運びとなりました。急な変更にもかかわらず、快く受け入れていただきましたこと、心より感謝申し上げます。

今回の会議には、6単組10名の皆様にご参加いただきました。冒頭では、エスペックの会社紹介動画を視聴し、社名の由来や会社の歴史についてご説明いただいた後、本社内のショールームを見学させていただきました。会議では、1月26日の労使研修会で皆様からご提出いただいた春闘要求資料の中から西日本エリア分を抜粋し、いくつかの単組からアップデートされた内容も反映した資料を配布し、それをもとに情報交換を行いました。皆様からの補足や新たな情報提供をいただきながら、資料を活用して有意義な情報交換ができたのではないかと思います。会議の中では、各単組の2025年春闘要求内容について意見交換を行い、ベースアップや定期昇給の要求根拠、規模間格差、一時金の算出方法、要求内容の決定方法、要求大会の開催方法、年休の日数や取得率、年間休日数、賃金制度、人材不足、評価制度など、各単組が抱える課題について活発な議論が交わされ、西日本エリア内での情報共有を図ることができました。なお、当日は休憩時間を設けておりましたが、議論が非常に白熱し、予定していた休憩を取ることなく会議が進行しました。参加者の皆様の熱意と関心の高さが感じられ、気がつけばあっという間に時間が過ぎていた、そんな非常に有意義な会議となりました。

会議終了後は懇親会・交流会会場へ移動し、楽しいひとときを過ごしながら、西日本エリアの結束を深めることができました。

エスペック労組さんにて

 

10年前との変化は?日系企業離れの実態は?タイのものづくり現場の実情をリアルに視察!!多くの学びを得た海外視察に 部会結成25周年記念海外視察(2025.9.3~7)

■はじめに■
2025年9月3日(水)夜~7日(日)朝、部会結成25周年記念海外視察でタイへ行ってきました。JAM電機部会では5年ごとの周年行事として労使で海外視察を実施しています。今回は10年前の15周年記念時に行ったタイを視察先に選定し、10年前との変化、日系企業離れが言われるようになったタイのものづくり現場の実情を視察すべく、ものづくり人材を育成する現場である現地の工業大学、そしてその人材が活躍する現場である三菱自動車タイランドの2か所を訪問しました。
今回の視察には部会加盟企業労使から21名(労側19名、使側2名)の方が参加しました。
以下に写真と個人の所感で視察の様子を振り返ります。

■スケジュール■
9月3日(水)
・各地より関空・羽田の各空港へ
・[関西空港]24:55 JL727便にて空路バンコクへ
・[羽田空港]25:20 JL033便にて空路バンコクへ

9月4日(木) ~ 5日(金)
・タイ・スワンナプーム国際空港にて合流し、貸切バスで移動
・泰日工業大学(バンコク)訪問
・三菱自動車タイランド(チョンブリ・レムチャバン)訪問
・移動、市内見学(観光)

※宿泊ホテル
(バンコク)Le Meridien Bangkok
(チョンブリ・パタヤ)Sunbeam Hotel Pattaya

9月6日(土)
・市内見学後、スワンナプーム国際空港へ移動
・22:05 JL034便にて空路羽田空港へ ~9/7朝到着後 解散
・24:25 JL728便にて空路関西空港へ ~9/7朝到着後 解散

■参加者■
<労側>15単組・19名
<使側>2企業・2名

■今回の海外視察について■
視察先は、電機部会としては前回に続いて構成単組(企業)の拠点も多く存在するタイになりました。前回10年前(2015年)のタイは、日本でも大きく報じられた軍事クーデターや大洪水など大きな出来事はあったものの、当時に海外視察に行かれた人々の感想からは、ものづくり現場における不安のような声は聞かれませんでした。
しかし近年タイでは「日系企業離れ」が起きていると言われています。もともと日系企業のタイへの進出が加速したのは1980年代で、当時のタイの人々にとっては「給料が高い日系企業は憧れの就職先」と言われていましたが、10年前位から「国立大学の学生が日系企業に入社したがらない」など「日系企業離れ」の兆しがみられるようになりました。そこで実際にはどうなのか。10年ぶりにタイのものづくりの教育現場である「泰日工業大学」およびその人材が活躍する現場である「三菱自動車タイランド」を訪問し、現地のものづくり現場の実情をリアルに視察してきました。

■視察先① 泰日工業大学■
泰日(たいにち)工業大学(TNI)は、「学問を発展させ、産業の振興に寄与し、経済・社会に貢献する」を理念とし、日本的「ものづくり」思想のもと、専門能力、英語・日本語力、ビジネス実務など社会人基礎力を重視し、実践的な技術と知識を兼ね備えた学生を育て、主に在タイ日系製造企業に人材を送り出している大学です。タイの産業構造、タイ人学生の価値観が時代とともに変化する中で、日本的「ものづくり」人材をどのように教育しているのかを知れる良い機会になりました。

●得られた知見
・2025年の学生数は約3,500人、一番多い時は4,300人(2018年)。うち工学部は850人、情報工学は1,150人、経営学は1,000人。
・新しく創設した学科として、半導体工学が2026年からスタート。AIも計画中。
・主に工学部が「日本スタイルのものづくり」を学ぶ場。工学部の中に機械工学科がなく自動車工学科を設置してトヨタ自動車と連携し自動車のものづくり人材を育成。技能の基礎技術から最新技術までを学ぶ。
・タイの他の国立大学の工学部では、学生もクーラーの効いた涼しい部屋でコンピューターを使って設計をするのがエンジニア、現場で働くのはワーカーという意識が強い。泰日工業大学ではまずはワーカーとして現場の技能を学び身につけてからエンジニアとしての最新技術を学ぶ。どちらかというと高専、工業高校に近いところがある。
・日本語履修が必須。学内には日本語が点在。
・就職率は100%。就職先は在タイ日系企業:45%以上。主に工学部の卒業生。欧米系企業も最近増えてきている。中国、韓国系は5%程度にとどまっている。
・タイの日系企業離れは泰日工業大学においてはあまり感じられない。日系企業の魅力は変わっていない。給料を求める学生は欧米系・中国企業、安定を求める学生は日系企業を選択する。親世代を含めてまだまだ安定志向の学生が多く日系企業は人気。

・日系企業は働き方についてもタイ人を日本からの出向者と同じように扱うように配慮されているところが多い。長時間労働にもならないように配慮されている。ただ昇給や昇進が欧米系・中国企業と比べると遅いので人材が流れ出していることは懸念される。そういった意味で最近は日系企業同士で人材を取り合う動きもでてきている。

■視察先② 三菱自動車タイランド(MMTh)■
三菱自動車タイランドはチョンブリ県レムチャバンに位置し、三菱自動車の海外最大の生産工場です。そもそも自動車産業は100年に一度の大変革期と言われています。タイでも脱炭素化に向けた政府主導で電気自動車(EV)の普及が進んでおり、そこで中国EVメーカーが急伸、欧米自動車メーカーもEVで攻勢をかけており、さらには最近ではトランプ関税の影響など、先行きが見えない要素が数多くあり、タイにおいても自動車産業は「激変」の最前線です。構成単組(企業)をはじめJAMの中でも自動車関連の事業を手掛けているところも数多くあるため、タイのものづくり現場の実情を視察する企業としては最適であったと思います。

●得られた知見
・MMThは、第1、2、3工場(車種別車体組立)とMEC(エンジン組立)の4つの工場からなる三菱自動車における海外最大の生産工場。
・日系自動車メーカーのうち、タイ国内販売をメインにしているのがトヨタ自動車といすゞ自動車。三菱自動車は輸出をメインとしている。主力輸出先はオーストラリア(オセアニア)やフィリピン(アセアン)。
・タイでの自動車の輸出入はレムチャバン港からしかできない(バンコクは海が浅く、大きな船が接岸できないため)。MMThはレムチャバン港にほど近く(3.5km)、完成車はキャリアカーを使わず自走で工場から搬送できるのもメリット。
・中国EV車の攻勢(低価格、値引き)で、コロナ以降タイ国内販売の日本車シェアが9割から7割まで減少。危機感をもって、三菱自動車としては強みであるHEV車を中心に巻き返していこうという機運を高めている。
・安全性の観点では、現地スタッフが自主的に啓蒙ビデオの作成やカラクリの工夫などを行い、安全性の向上や作業効率の改善に取り組まれており、その高いモチベーションに感心。
・溶接工程においてはロボットが95%を担い、残る5%をあえて人の手作業。技能継承の観点からあえてそうしている。
・安全性・不具合管理として人的ミスを無くすためAIを活用するなど時代に合わせて様々な改善の取り組みを行っている。
・従業員の女性比率は17%程度とのこと。派遣社員(期間限定)から正規切替で一時期よりは減った。
・現地スタッフは活き活きとやりがいを持って働いている印象。駐在員の方々からの丁寧な、かつほんとうに熱意のこもった説明からもご活躍されていることを感じた。

■海外視察に参加して(松本所感)■
泰日工業大学訪問では、学長や副学長の踏み込んだお話を聞くことができた。まず就職先の45%は日系企業ということで、タイでの日本離れが著しいと言われているが、教育現場においてはまだまだタイにおける日本のイメージは悪くないようである。日本スタイルものづくりの教育、日本語の全員履修、日本文化や日系企業に触れる機会も多い泰日工業大学ならではのことなのかもしれないが、人材育成や福利厚生を含めたまだまだ残る終身雇用の日本型経営がタイ人には魅力的なプレゼンスなのであろう。「タイではまだまだ安定志向を求める親世代も多い、安定志向が強い学生は日系企業へ、昇進志向が強い学生は欧米・中国企業へ まだ日本は捨てたもんじゃない」という学長の話が印象的であった。日本スタイルものづくりの教育というのは、日本でいう工業高校や高専での教育体系であり、こと泰日工業大学の位置付けは工業高校以上高専未満という感じか。技能の基礎をしっかり学びものづくりの現場ですぐに実践できる人材を育成するということであり、そのまま日系企業の即戦力として活躍できる流れということだろう。
三菱自動車タイランド(MMTh)の工場見学では、なによりも第一印象として、とにかくローカルスタッフも日本からの出向者(駐在員)も、ものづくり(クルマづくり)に誇りとやりがいをもって働いておられるんだなという印象を受けた。とくにタイ人における日本の魅力は「ものづくり」であるということなのだろう。広大な敷地の中で、車種ごとおよびエンジン製造工場をそれぞれ持ち、各工場にまっすぐな製造組立ラインの長さ、製造したクルマは、自走して港へ運び船で輸出するというさすがは三菱自動車の最大工場であるということにまず圧倒された。また駐在員の方々から工場内を懇切丁寧にご説明していただき、よく来てくれました!という気持ち溢れるおもてなしに感銘をうけた。日本から遠く離れた地でご活躍されている姿をみていて、自単組でも駐在員から直接声を聞くため現地へ行く重要性を感じた。教育現場だけではなく、実際の働いている現場においても、日本離れというのは感じられなかった。

■さいごに■
今回の海外視察を通じて、参加者一人ひとりが多くを学び心から楽しんでいただけたものと思います。そして一連の行程を共にする中で、参加者同士の絆や部会の結束がより高まったものと思います。まさに「まじめさ・楽しさ盛り合わせ」のてんこ盛りの電機部会らしい海外視察になったのではないでしょうか。今回の海外視察を節目に、これから益々の部会発展を祈念いたします。引き続き、ともにがんばりましょう。
今回の海外視察は、三菱自動車三菱ふそう労連さま、三菱自動車工業労働組合京都支部さま、神戸マツダ労働組合さま等、産別を超えた多くの労働組合の仲間のご尽力があってはじめて実現できたものだと思います。ご尽力いただいた仲間に部会を代表して心より感謝申し上げます。そして今回の企画・準備・運営いただきましたミヤコ国際ツーリストの野牧社長さま、仁木顧問さまにも感謝申し上げます。皆様、本当にありがとうございました。
(記:事務局長 松本康)