「心理的安全性」や「傾聴」「カウンセリングマインド」といった離職防止につながるコミュニケーションの重要さを学ぶとともに、春闘を前にこれからの労使間、組合員同士、経営協議のあり方を考える良いきっかけとなる ー第1回労使研修会(2025.1.26~27)

2025年1月26日(日)~27日(月)に2025年度第2回労使研修会を開催しました。初日は大阪梅田リファレンス大阪駅前第4ビル貸会議室にて、労使分かれての情報交換会と懇親会を実施しました。また翌日には関西学研都市けいはんなにある(株)島津製作所 基盤技術研究所 SHIMADZUみらい共創ラボにて、「離職防止につながるコミュニケーション」をテーマにしたセミナーとSHIMADZUみらい共創ラボ施設見学を実施しました。二日間で総47名(労側39名、使側8名)の方が参加しました。
以下にその様子を報告します。

■スケジュール■
1月26日(日)
14:30 情報交換会(労使分かれて)春闘をテーマに
18:30 夕食懇親会@BAR LOUNGE 1818

1月27日(月)
10:30 講演「離職防止につながるコミュニケーション」@みらい共創ホール
12:45 昼食@みらい共創ラボ内食堂
13:45 施設見学「みらい共創ラボ」
15:15 終了

■参加者■
<労側>27単組・39名
<使側>7企業・8名

■研修会の主旨と概要■
電機部会労使において今後取り上げて欲しい講演テーマとして毎回挙がってくるのが「(若手の)離職防止」です。離職する要因は様々あります。例えば人間関係の問題、職場労働環境の問題、業務内容への不満、将来的なキャリア不安、などが挙げられるでしょうか。また社会環境の変化で転職市場が活発になり転職に対するハードルが下がっていることもあります。これらのうち社会環境の変化はどうすることもできませんが、職場労働環境の問題には、例えば長時間労働の問題など従来より労使で取り組んできており、また業務内容への不満、将来的なキャリア不安についても、社内公募制であるとか人事ローテーションとか業務の多様化・多能工化、教育・研修制度の充実など様々な施策・制度を労使で協議し取り組んでいます。一方、人間関係の問題については、各々様々であるため、これまであまり取り組めていないのではないでしょうか。昨今、心理的安全性、ハラスメントなどがキーワードとなってきている中で、人間関係の問題は「コミュニケーション」に起因する問題であるとも言えると思います。そこで、今回は1級キャリアコンサルティング技能士として「コミュニケーション」の観点でこれまで多くの方・企業の相談や支援に取り組まれている(株)HRハーモニーの代表である中村健三郎氏をお迎えし、「離職防止につながるコミュニケーション」という演題でお話しいただきます。皆さまにとって「コミュニケーション」という観点から「離職防止」を考えるきっかけにしたいと思います。
また今回は(株)島津製作所基盤技術研究所(けいはんな)のみらい共創ラボの施設見学を開催します。みらい共創ラボには、「コミュニケーション」が活発になる仕掛けが随所に取り入れられた施設となっており、コクヨオフィスも導入されています。
本講演および施設見学会が皆さまの取り組みに、また企業や組織の発展につながることを期待しています。労使共に多くの方のご参加をお待ちしております。

●情報交換会
労使でそれぞれ分かれて情報交換を行いました。(労側:春闘関連の情報交換、使側:JAM春闘方針説明・情報交換、他)
労側の情報交換会では、各単組より要求内容の検討状況を報告し合いました。業績は厳しいが、それ以上に人手不足であり人財確保定着の観点から物価上昇を上回る賃上げと他社との格差是正を要求根拠として検討している単組が多かったのが印象的でした。
一方使側の情報交換会では、最初に安河内会長よりJAMやJCMの春闘方針をご説明いただいたのちに、企業間で情報交換が行われたようでした。

●懇親会
栗栖労側幹事の司会と熊谷労側代表幹事の乾杯のご発声で懇親会がスタートし、井上使側代表幹事による中締めで閉会となりました。引き続き懇親会には安河内会長にも同席いただき、雰囲気の良い店内で参加者間思い思いに懇親を深め過ごしていました。

●研修会
まず、司会の松本事務局長より、受入側労組によるあいさつを兼ねて本日の内容とスケジュールなどの話があった後、電機部会を代表して熊谷労側代表幹事より「島津製作所・島津労組の皆さん、本日は貴重な場の提供を感謝する、コミュニケーションを即す仕掛けが随所にみられる本当に素晴らしい施設である、春闘での情報交換では物価に負けない賃上げの実現、格差是正、人材の確保定着に向けていろいろと情報交換を行った、また本日の講演は中村先生をお招きして、皆さんから要望が強い離職、特に若手の離職防止のためのコミュニケーションがテーマとなっており私も楽しみにしている」とごあいさつをいただきました。
続いて、井上使側代表幹事より、「ようこそみらい共創ラボにお越しいただき感謝する、また私のキャリアコンサルティング技能士の勉強会仲間である中村先生による講演をできること嬉しく思う」と受入側企業としてまた講演主旨に触れたあいさつをいただきました。

●講演
今回の講演は、
◎テーマ:離職防止に繋がるコミュニケーションセミナー~離職の本質~
◎講師:株式会社HRハーモニー 代表 中村健三郎さま
でした。
井上使側代表幹事の知り合いということでご登壇いただいた中村先生。離職の本質を理解し、「傾聴」や「カウンセリングマインド」などのコミュニケーションスキル、「心理的安全性」のある環境、人それぞれの「個性」に応じたコミュニケーションの取り方が離職防止に繋がるというお話をいただきました。

参加者からは「上司部下のコミュニケーションがメインの話だが、組合員同士(同僚)でのコミュニケーションはどうすればよいか」、「部下側からのアプローチでアドバイスはないか」、「会社の理念やパーパスが最も大事であると理解しているがそれでよいか」などの意見や質問がありました。

また個人的に印象に残ったのが、「一緒に頑張っている人、応援してくれる人がいる、そういう環境があれば人は頑張れる」というコメントが印象的でした。労働組合運動は組合員が主役であり、組合員が主体性をもって参画すれば労働組合は益々活性化していくのではないか、またこれから始まる春闘をはじめ各労使交渉や労使協議などでも労使お互いにリスペクトして協議することで労使がともにより良い方向になっていくのではないかと思ったりしました。

●施設見学
講演終了後、堀場執行委員(島津労組)より、食堂の利用方法を説明したのち、郡山りょうおよび春闘に勝つという意味を込めた「勝つ(カツ)丼、お吸い物(紅白)、小皿(紅白)」の定食セットをいただきました。
昼食後、みらい共創ラボの施設内を見学しました。コクヨオフィスも取り入れて、研究アイデアやイノベーション創出の基となるコミュニケーションを活性化させる仕組みがあちこちに盛り込まれている施設でした。
研修会の最後に、仁木労側幹事より、「いよいよ春闘をむかえるが、物価上昇から組合員を守るという観点は労使で一致しているので労使で話し合って賃上げを実現していくべき、大阪の夜をそれぞれ過ごしていただけたものと思う、中村先生の講演はあらためていろんな観点でコミュニケーションということの重要性を理解できた、みらい共創ラボは本当に素敵な施設である」と今回の労使研修会としてのまとめのあいさつをいただき二日間の労使研修会を終了しました。

●さいごに
これからまずは春闘、そして夏は郡山りょうの取り組み、その後も25周年記念事業の海外視察を予定しています。まじめさ楽しさ盛り合わせのてんこ盛りの活動を進めていきますので引き続き皆さん積極的なご参加をどうぞよろしくお願いします。
(記:事務局長 松本康)

2025年度第1回中部エリア会議

中部エリアは1月10日(金)、愛知県伏見駅周辺の会議室において2025年度第1回エリア会議を開催し、9単組12名が参加しました。

会議では、各組織より企業状況、秋闘の結果、春闘要求の考え方などについて意見交換を行いました。春闘については、多くは組織決定前の「思い」ではあるものの、世間状況やJAM方針も鑑み昨年以上の要求を目指す組織が目立ちました。その他にも、オープンショップ制における組合員確保の課題や、労働環境改善に関する要求などについても活発な情報交換がされました。

会議後には近隣のおしゃれ居酒屋に場所を移し親睦を深め、春闘の勝利を誓いあいました。

次回のエリア会議は4~5月を予定しています。

会議の様子

会議の様子

5年ぶりに対面での幹事会を開催し、年間の部会活動の方向性を確認-第1回労組幹事会(2025.01.06)

●はじめに
2025年1月6日名古屋伏見の貸会議室「スペース7番」にて労組幹事会(13名参加/18名中)を開催しました。コロナ禍を挟んで、実に約5年ぶりの対面での開催となりました。

●主要議事
幹事会では、冒頭、熊谷部会長からご挨拶を頂いた後、諸事情で例年より1ヶ月ずらして11月24日に開催した総会および翌25日に併設開催した第1回労使研修会の振り返りを行いました。開催後の参加者アンケートや幹事からの意見では、急な日程変更になったが無事に開催できてよかった、労使研修会との併設で調整しやすかった、会場アクセスがよかった、戸村先生の講演は聞きやすい、など前向きな意見が多く、悪い意見は特に挙がりませんでした。一方、今後のより充実した開催を見据えると、Web会議併用の必要性、宿泊無しの通い参加や大部屋宿泊の是非、などを考慮した運営を検討していくこととなりました。
次に1月26~27日に開催を予定している第2回労使研修会について、限られた時間の中で情報交換会をより有意義な時間にするにはどうしたらよいかなど当日の運営についての詰めの確認を行いました。
続いて部会結成25周年記念事業の海外視察についての内容検討を行いました。旅費が高騰しており早めの参加意思表明をお願いすることで費用面を抑えていきたいということを確認した。

<第1回労組幹事会議案>
1.部会長挨拶
2.報告事項
(1)JAM電機部会 第26回総会、第25回労使会議総会(2024/11/24)
(2)JAM電機部会 第1回労使研修会(2024/11/25)
3.協議事項
(1)JAM電機部会 2025年度 年間活動計画について
(2)JAM電機部会 第2回労使研修会(2025/1/26~27)
(3)JAM電機部会 結成25周年記念行事(海外視察)について
(4)JAM電機部会 各エリア会議について